限界なんて今の俺たちにはないんだ

There's no limit to our progress.

読了「蜜蜂と遠雷」はコンレポの教科書だった

きっかけは佐藤勝利くんでした。
ラジオで気になる本として名前を挙げていたのが恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」。
お友だちでジャニーズJr.の岸優太くんから薦められたとのこと。あの時はまだ読んではなさそうだったけど、その後勝利くんは読めたかな?

本屋で見たときから表紙が綺麗で気になってはいたのですが、基本的に本は持たない図書館大好きな私は、予約リストに入れようとして驚愕の1800人待ちという数字を見て一旦諦めていたところでした。

これもご縁ということで、購入。
久しぶりに手にする「自分の本」というのはなかなか嬉しいものです。
(以下、内容に関するネタバレはありません)

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

見えない「音」を言葉だけで表現する凄さ

ピアノコンクールを題材にした小説ですが、とにかくすごかったのが、見えない、本を読むだけでは聞こえない「音」を、言葉だけで想像させるところです。
その表現の種類は1つや2つではありません。登場するたくさんのコンテスタントが奏でる音をあらゆる比喩表現を用いて読者にイメージさせます。

見えないものを臨場感をもって伝えるという意味では、オタクの生き甲斐とも言える(?)コンレポにも繋がるものがあると思いました。
色々な読み方があると思いますが、私は登場する天才たちに自分を重ねられるような部分がなかったので、それを見守る観客の立場となって表現の波に身を委ねました。
自分が見たステージ、そこには何があり、何を感じたか。いかにドラマティックに伝えるかという点で、非常に勉強になりました。溢れんばかりに詰まった宝石箱のような言葉たち。実際、前回のエントリーでは「蜜蜂と遠雷」に出てくる表現を参考に書いてみた部分があります。
こんな感想どうかと思いますが、蜜蜂と遠雷」はコンレポの教科書でした。使ってみたい表現がたくさんありました。

ありがたいことに、クラシック音楽の演奏シーンは動画サイトにもたくさんあって、実際に聞きながら読み進めた箇所もあります。
そんな中、最も鳥肌が立ったのは1番最後のページでした。ここまでこれだけ描いてきて、最後にこれですか…!最高に余韻を楽しませていただきました。
ネタバレなしで読む方は絶対に最後のページを先に見ないでくださいね。

「あたし」から感じる恩田陸

唯一どうしても気になったのは、物語に出てくる女性の一人称が全員「あたし」だったこと。恩田陸さんの作品は昔に読んだきりであまり覚えていないのですが、他の作品もそうでしたっけ?
会話で「あたし」という人は別に気にならないけど、メールを含め文章で自分のことを「あたし」と書くのはどうも苦手です。出てくる度に気になったので最初はなかなか集中できませんでした。
ただ「あたし」だけでなく、節々に作者のクセであろう言い回しがありました。そういうところにこそ作者の息吹が感じられる、これが恩田作品なんだと読み進めるうちに受け止められるようになっていきました。


ステージに立つことが生業である彼らはまた、きっとこの作品の捉え方が異なるのではないかと思います。この作品を読んだ、スターたちの感想が気になります。よかったらどこかで聞かせてね。